エジプト・ルクソールの観光スポットを巡るとき、タクシー移動は便利なようでいて意外とストレスが多いもの。距離の割に高い料金交渉、客引きのしつこさ、配車アプリを使っても追加料金を求められる。そんな「エジプトあるある」に疲れた人も多いはずです。
そこでおすすめしたいのが、レンタル自転車での西岸サイクリング。実はルクソールの主要スポットは、ほとんどが市内から10km圏内にまとまっており、自転車でも十分回れる距離。タクシーをスポットごとに呼んだり、1日ハイヤーを頼む必要もなく、自分のペースで気ままに走れるのが魅力です。
今回は、私が実際に自転車を借りて巡った「王家の谷」と「ハトシェプスト葬祭殿」を半日で回るルートを、写真付きで詳しく紹介します。タクシーの煩わしさから解放され、風を感じながら遺跡巡りを楽しみたい方にぴったりの体験です。
※ 本記事の内容は、筆者が2025年11月にルクソールを訪問した際の情報を元にまとめています。現地の状況は変更となる場合があります。
東岸から西岸へ|公共フェリーでの行き方
まず、ルクソール観光では「東岸のホテルに泊まっているか」「西岸のホテルに泊まっているか」で移動の方法が変わります。私は東岸のホテルに滞在していたため、まずはナイル川を渡る公共フェリーを利用して西岸へ向かいました。
エジプトの日中は気温が非常に高く、特にルクソールは暑さが厳しいため、この日は早朝6:00に行動開始。自転車は西岸にあるローカルのレンタルショップで借りることにしました。ホテルでもレンタルできましたが、1日$10US(約1,600円)と少し割高だったため、ローカルな店の方が料金が抑えられると感じたためです。
ここでは、私が実際に利用した公共フェリー乗り場の場所と乗り方をご紹介します。

公共フェリー乗り場への行き方
公共フェリー乗り場は、ルクソール駅から徒歩で 約20〜30分。少し距離はありますが、日が昇る前に歩けば気温も穏やかで、道中にはルクソール神殿やナイル川の景色を楽しむことができます。
ルクソールでは熱気球ツアーが人気で、早朝は空にいくつもの気球が漂っています。私は高所が苦手なので参加しませんでしたが、興味がある人には魅力的なアクティビティです。

なお、早朝は全体的に客引きは少なめですが、それでもタクシー・馬車・プライベートボートなどの勧誘があります。利用しない場合は、「No, thank you.」の一言で問題ありません。

料金の目安
私は片道25EGP(約80円)、往復50EGPのチケットを購入しました。事前にGoogleレビューなどで「片道20EGP」と見ていたのですが、実際には少し値上がりしているようです。一部の情報では「ローカル4EGP/外国人25EGP」といった記載も見られますので、明らかにぼったくられているというわけではなさそうです。
今回の旅で少し困ったのは、ネット記事やガイドブックの情報が最新料金に追いついていないことです。例えば購入した『地球の歩き方 2025〜2026年版』には公共フェリーの料金が10EGPと記載されていますので、これは明らかに古い情報だと思われます。
エジプトは物価が変動しやすいため、料金はその場で確認して必要に応じて交渉するのが確実です。
また、東岸で自転車をすでにレンタルしている場合は、追加料金なしで自転車ごとフェリーに乗せて西岸へ渡ることも可能です。

運行時間
公共フェリーは24時間運行しており、日中は約20分間隔で運航しているため、とても便利です。乗船時間は約15分で、この日は朝6時35分に乗船し、7時前には西岸に到着しました。


西岸で自転車をレンタルする方法|おすすめのレンタルサイクル店
今回は、実際に私が利用したレンタルサイクル店をご紹介します。Google Map では 「New bike rental . mamnun for the nile」 と表示されており、カフェに併設されたローカル感のあるお店です。
レンタルサイクル店の場所とアクセス
フェリー乗り場(West Bank Ferry)から降りて通りをまっすぐ歩いて約4分とアクセス抜群。西岸に着いてすぐにレンタルしたい人には理想的な立地です。

さらに、このお店は朝6時から営業しているため、早朝から王家の谷を目指したい旅行者にもぴったり。エジプトの日中は非常に暑いため、早出の行動計画と相性が良いです。

料金の目安
レンタル料金は 基本的に交渉制 です。事前に Google レビューを確認したところ、1台あたり 200EGP前後 が相場のようでしたが、いずれも1年ほど前の口コミであり、現在の正確な価格は分からない状況でした。
まずは200EGPで交渉を試みましたが、最終的には 350EGP(約1,100円) で決着。もう少し安い値段から交渉すれば、300EGP前後 まで下げられたかもしれませんが、ホテルでのレンタル料金 10USドル(約1,600円) よりは安く利用できたため、今回はこの金額で満足としました。
借りる際のポイント
自転車を借りる際は、状態のチェックが必須です。サドルの高さやブレーキ、タイヤの状態は特に重要で、長距離を走るためにも借りる前にしっかり確認しましょう。
レンタルに際しては、身分証の提示は特に必要ありませんでした。料金を支払い、おおよその返却時間を伝えるだけで、そのまま借りることができました。誰かもわからない外国人にデポジットなしで自転車を貸してしまうあたり、なんともエジプトらしい感じがしました。


近くにはもう一軒の人気店もあり
西岸のフェリー乗り場周辺には、もう一軒 Googleレビューで高評価のレンタルサイクル店 「Bicycle Rental Mohamed Setouhy」 があります。私が訪れた朝7時の時点ではまだオープンしていませんでした。
当時の Google Map では「7:00 オープン」と表示されていましたが、帰国後に確認すると 7:30〜18:00 に変更されていたため、営業時間が更新された可能性があります。もっとも、ここはエジプト。営業時間通りにお店が開くことは稀だと思うので、目安くらいに考えておいた方が安心です。

価格を比較してみるのもアリ
少しでも安く自転車をレンタルしたい場合は、これら 2店舗で料金を聞き比べてみるのもおすすめです。店によって値段が違うことも多く、交渉次第で割引してくれる場合もあります。
自転車で西岸を走る|全体のルート概要
A.公共フェリー → B.自転車レンタル → C.王家の谷 → D.ハトシェプスト葬祭殿 → E.(メムノンの巨像)→F.帰還

各スポット間の距離と所要時間の目安
今回の西岸サイクリングでは、総移動距離 約20〜25km/総移動時間 約75分前後 が目安になります。まずは 王家の谷(Valley of the Kings)へ最初に向かう ルートがおすすめです。理由は以下の通りです:
- 王家の谷までは 上り坂が続き、かなりキツイ
- 日が昇ると急激に暑くなる
- 朝早く行かないと観光客で混み合う
早朝の涼しい時間帯に一気に登り切るのが吉です。
王家の谷を見終えて自転車で下り坂に入ると、エジプトの雄大な岩山と砂漠が一気に広がり、最高に気持ちいい絶景タイムが始まります。この区間はサイクリングのハイライトと言ってもいいほど爽快です。
下り坂を過ぎると、ハトシェプスト葬祭殿までは平坦な道が続き、無理なく移動できます。最後にメムノンの巨像へ寄ってから自転車を返却するのも良い流れです。ただし、この頃にはかなり気温が上がるため、水分補給は必須です。

- 自転車レンタル店(7:20) → 王家の谷(8:00)
約9km/約40分(王家の谷の近くは上り坂でけっこうハード)
▶︎王家の谷観光(約1時間45分) - 王家の谷(9:45) → ハトシェプスト葬祭殿(10:00)
約5km/約15分(下り+平坦で快適)
▶︎ハトシェプスト葬祭殿の谷観光(約1時間) - ハトシェプスト葬祭殿(11:00) → メムノンの巨像(11:10)
約4km/約10分(平坦で走りやすい)
▶︎メムノンの巨像観光(約20分) - メムノンの巨像(11:30) → 自転車レンタル店(11:40)
約3.5km/約10分(ラストスパート)
注意点(安全にサイクリングするために)
王家の谷までの上り坂はかなりハード
王家の谷の近くは、登り坂が続くので体力に自信がない方はタクシーやツアーでの移動がおすすめです。レンタル自転車は気軽に使えますが、坂道が多いため少しハード。体力を考えて、無理のないプランで楽しみましょう。

夏のサイクリングは危険。冬でも日中は強烈な暑さ
真夏は自転車移動そのものが危険レベルです。冬でも日差しが強く、気温はぐんぐん上昇するため、帽子・サングラス・十分な水分補給・日焼け対策は必須。

エジプトは右側通行+信号が少ないため、交通ルールに注意
エジプトの道路は信号がほとんどなく、車の運転も荒いため、カオスな状況です。横断時や交差点では、車の動きをよく確認し、慎重に走行することが大切です。

砂埃・排気ガス対策にマスクがあると安心
道路沿いは砂埃や排気ガスが舞っていて、環境はかなり劣悪です。マスクやネックゲイターがあると安心です。
王家の谷を観光する
王家の谷に到着すると、少しトラブルがありました。ゲートのセキュリティ(警察?)の方に「ここに自転車を止めてくれ」と指示され、さらに「駐輪料として20EGPを払え」と要求されました。もちろん公式な料金ではなく、チップの要求だと思われます。「まあ20EGPぐらいなら…」と財布を出したのですが、細かいお金がなかったため「50EGPしか持っていない」と伝えると、そのまま50EGPを持ち去られてしまいました。
訪れる際は、自転車の駐輪でお金を要求されても、基本的には応じる必要はありません。面倒な場合は、少額の現金を用意するか、「細かいお金は今持っていない」と伝えてやり過ごすのが無難です。

なお、チェーンは自転車レンタル店で貸してもらえますし、セキュリティもいるため、盗難の心配はそれほど大きくありません。

エジプト旅行でよくあるトラブルや注意点についてはこちらの記事をご覧ください⬇️
チケット情報(2025年最新)
王家の谷は、入場券を購入することで3つの墓を見学できます。ただし、人気のツタンカーメン王の墓などは追加料金が必要で、別途チケットを購入する必要があります。チケットはオンラインまたは現地のチケットオフィスで購入可能で、いずれの場合もクレジットカード(VISA/Mastercard)が必須です。
公式サイト:https://egymonuments.com/details/ValleyOfKings

チケット料金
- 大人:EGP 750(1EGP=約3.2円で約2,400円)
- 学生:EGP 350
追加料金
- アイ王の墓(Aye Tomb):大人 200EGP、学生100EGP
- ツタンカーメン王の墓(Tutankhamen Tomb):大人 700EGP、学生350EGP
- ラムセス5世・6世 の墓(Ramesses V & VI Tomb):大人220EGP 、学生110EGP
- セティ1世の墓(Seti the First Tomb):大人2,000EGP 、学生2,000EGP
営業時間
- 6:00〜最終入場
・夏季:17:00
・冬季・ラマダン期間:16:00
自転車で移動してハトシェプスト葬祭殿へ
王家の谷を観光した後は、ハトシェプスト葬祭殿へ向かいます。すでに日が高く昇り、暑さは厳しいですが、ここからは下り坂のため、エジプトの雄大な岩山や砂漠の景色を風を感じながら楽しむことができます。自転車で移動している人が少ないためか、トゥクトゥクの運転手や地元の子供達から「ハロー」と声をかけられることもあります。
この日一番驚いたのは、自転車に乗っているにも関わらず、タクシーの客引きが声をかけてきたことです。「自転車に乗っているのが見えないのか?今自転車に乗っているだろう!」と言うと、「自転車もタクシーに載せられる」と言い出しました。呆れて何も言えませんでしたが、そのまま無視しているとやがて過ぎ去っていきました(笑)。

ハトシェプスト葬祭殿に到着すると、また声をかけられました。今度は自ら警察を名乗る男が現れ、「自転車は俺が見ておいてやるから、ここに止めろ」と、警察の待機エリアのような場所に駐輪するよう指示されました。鍵もかけずに置いてきてしまったため、本当に信用していいのか少し不安になりました。
「どうせ引き取るときにまたチップを要求されるのだろう」と覚悟していましたが、その場では何やら別の用件で揉めており、忙しかったのかチップを求められることもなく、自転車をそのまま受け取ることができました。

チケット情報(2025年最新)
チケットはオンラインまたは現地のチケットオフィスで購入可能で、いずれの場合もクレジットカード(VISA/Mastercard)が必須です。
公式サイト:https://egymonuments.com/details/HatshepsutTemple

チケット料金
- 大人:EGP 440(1EGP=約3.2円で約1,400円)
- 学生:EGP 220
営業時間
- 6:00〜最終入場
・夏季:17:00
・冬季・ラマダン期間:16:00
メムノンの巨像(立ち寄りスポット)
ハトシェプスト葬祭殿の観光を終えたら、メムノンの巨像(Colossi of Memnon) に立ち寄るのがおすすめです。周囲にはカフェや売店もあるので、休憩にも最適です。

あまりの暑さに、私は売店で水とコーラを(25EGP/約80円)購入し、しっかり水分補給をしました。短い休憩を挟んだら、あとは返却場所のレンタル自転車店までラストスパートです。

自転車を返却 → 併設カフェでランチ
自転車を返却した頃には、ちょうどお昼時。レンタルサイクル店にはカフェが併設されており(むしろカフェがメインだと思われる)、そこで軽食を取ることにしました。
メニューの内容が少し分かりにくかったので、店員さんに相談しながら サンドウィッチとコーラ を注文。メニューに料金が書かれていなかったため少し不安でしたが、尋ねると丁寧に教えてくれました。
合計 95EGP (約300円)で、お釣りもしっかり返してくれました。味も想像以上に美味しく、良いランチタイムになりました。


公共フェリーで東岸へ戻る|最後の船旅を楽しむ
行きの段階で 往復チケット(50EGP) を購入していたため、帰りはそのまま同じチケットで乗船できました。チケットにはアラビア語が書かれており、「本当にこれで帰れるのか?」と少し不安でしたが、特に問題なくスムーズに乗船できました。

西岸でのサイクリングを終えてフェリー乗り場に戻ると、朝とはまったく違う景色が広がっています。早朝の静けさと涼しさとは対照的に、午後のナイル川は強い日差しを受けてきらきらと輝き、エジプトらしい力強い風景 が楽しめました。

フェリーは相変わらず地元の人々で賑わい、観光客も混ざってのんびりとした時間が流れます。短い船旅ですが、旅の最後にナイル川を眺めながら東岸に戻る瞬間は、ルクソール観光の締めくくりとしてとても心地よい時間でした。
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まとめ|自転車で巡るルクソール西岸は最高の体験
ルクソール西岸を自転車で巡ると、王家の谷やハトシェプスト葬祭殿、メムノンの巨像などを自由に、かつ効率よく回ることができます。早朝スタートすれば日差しや観光客の混雑を避けつつ、ナイル川の眺めや砂漠の風を感じながら爽快に移動できるのが魅力です。自転車ならタクシーでは味わえない自由度と、エジプトらしい臨場感を存分に楽しめます。
自転車で西岸を巡る際のポイント
- レンタルは交渉制:相場や状態を確認してから借りる
- 自転車の状態チェック:サドル高さ、ブレーキ、タイヤは必ず確認
- 水分補給・日差し対策必須:帽子・サングラス・飲み物は忘れずに
- 王家の谷は上り坂あり:体力に自信がない場合はタクシーやツアーを利用
- 道路事情に注意:右側通行で信号や交通ルールは曖昧
- 砂埃・排気ガス対策:マスクがあると安心
- 駐輪やチップに注意:警察やゲートの人が料金を要求する場合あり
- 観光順序のおすすめ:早朝に王家の谷 → ハトシェプスト葬祭殿 → メムノンの巨像 → 自転車返却
40代独身無職のゆる生活 Yuru Life Journal 
