FIRE・セミリタイアの聖地として知られ、日本一賃貸が安い街とも言われる杵築市。実際に移住してみて感じたメリットとデメリットをまとめました。首都圏から杵築へ移り住み、単身で生活する中での個人的な体験に基づいた内容ですが、これから移住を検討している方の参考になれば幸いです。
実際に住んで感じたメリット5選
1. 生活コストが圧倒的に安い
杵築市の最大の魅力は、圧倒的な家賃の安さです。東京などの都市部と比べると、家賃は半額以下で、広々とした住居を借りることができます。賃貸物件の選択肢も豊富で、ゆとりのある生活が実現しやすい環境です。私自身、家賃約2万円で「1K・バストイレ別・駐車場付き・インターネット込み」という物件を契約しました。
無料インターネット付きの物件では通信速度が気になるところですが、実際に100Mbps程度の速度が出ており、動画視聴やリモートワークにも十分対応できる品質でした。そのため、追加で光回線を契約する必要がなく、通信費の節約にもつながっています。
また、毎月の生活費を無理なく10万円以下に抑えることも可能です。食品の価格に関しては都市部と大きな差は感じませんが、家賃をはじめとする固定費が圧倒的に安いため、総合的な生活コストは大幅に抑えられます。

2. 日用品の買い物が便利
杵築市には大型スーパーやドラッグストアがあり、日用品や食材の調達に困ることはありません。店内は広々としていて品揃えも豊富です。
特に魅力的なのは、新鮮な地元産の野菜や魚介類が手頃な価格で手に入ること。大分県産はもちろん、九州各地の食材が揃い、質の高い食生活が楽しめます。
また、ホームセンターや100円ショップもあり、都市部と変わらないどころか、むしろ便利に感じることも多いです。自転車があれば、ほとんどの買い物を済ませられるアクセスの良さも魅力の一つです。

3. 静かで落ち着いた環境
人口密度が低く、観光地であっても人混みを感じることはほとんどありません。都会の喧騒を離れ、のんびりとした生活を送りたい方には最適な環境です。
道幅が広く、建物の間隔にもゆとりがあるため、窮屈さを感じることなく快適に暮らせます。さらに、杵築市は海と山に囲まれ、豊かな自然に恵まれた環境が整っています。都心では当たり前だった混雑や渋滞のストレスがなくなり、心にゆとりが生まれたことも大きな変化の一つです。
また、高い建物が少ないため日当たりが良く、毎朝気持ちよく目覚めることができます。これまで室内干しや乾燥機を多用していた私も、天気の良い日には外干しができるようになり、その快適さを実感しています。

4. 歴史的な町並みを楽しめる
杵築市は、城下町の風情を色濃く残す美しい街並みが魅力です。杵築城をはじめ、歴史的な建物や石畳の通りが残されており、散策するだけでまるでタイムスリップしたような感覚を味わえます。また、こうした景色を眺めているだけでも自然と心が落ち着きます。
週末でも混雑することはほとんどなく、静かな城下町の雰囲気をゆったりと楽しめるのも魅力の一つ。特に歴史好きな方には、心惹かれる環境と言えるでしょう。

5. 車移動が快適
都市部と比べて渋滞がほとんどなく、車での移動が非常に快適です。駐車場の確保も容易で、運転時のストレスが少ないのも魅力のひとつです。
杵築市内の移動はもちろん、車があれば別府や大分空港へのアクセスもスムーズ。九州は観光資源が豊富なため、ドライブやツーリングが好きな方にとっては理想的な移住先と言えるでしょう。さらに、杵築ICから高速道路の無料区間が利用できるため、移動コストを抑えながら快適に移動できます。


住んでわかったデメリット5選
1. 公共交通機関が不便
杵築市は公共交通機関が限られており、車がないと移動に不便を感じることが多いです。市内中心部に住んでいれば必ずしも車が必要というわけではありませんが、税務署やハローワークなどの一部の行政機関が別府市にあるため、バスや電車を利用する場合は移動に時間がかかります。また、電車やバスの本数も1時間に数本程度と少ないため、定期的に利用するのであれば車を購入した方が良いでしょう。ただし、近年はマイナンバーカードの普及により、オンラインで手続きを行えるサービスが増えており、不便さをある程度カバーできるようになっています。


2. ガソリン代が高い
これは杵築市に限らず、大分県全体に言えることですが、全国平均と比べてガソリン代がやや高めです。さらに、車移動が主流なため、移動距離が長くなりがちで、意外とガソリンの減りが早く感じることもあります。
例えば、別府市までは約25kmで、車なら30分ほどで到着しますが、往復で50km走ることになり、その分ガソリン代もかさみます。ただし、賃貸物件には無料の駐車場がついていることが多く、駐車料金の負担がないため、頻繁に遠出をしない限り、総合的な生活コストで見ればそれほど大きな負担にはならないでしょう。

3. プロパンガスの使用が主流
杵築市の賃貸物件の多くは、都市ガスではなくプロパンガスを使用しています。プロパンガスは都市ガスに比べて料金が1.5〜2倍高くなる傾向があります。特に冬場はガスの使用量が増えるため、最初は驚くかもしれませんが、家賃や駐車場代などの固定費を大幅に抑えることができるため、総合的に見れば大きな負担にはならないでしょう。
また私自身、これまでは都市ガスを利用していましたが、ガスコンロが都市ガス用とプロパンガス用で異なる仕様であることに気づき、引っ越し後に新たに買い替えが必要となりました。これは予想外の出費でしたが、Amazonで注文すると翌日に届き、すぐに対応できたため、助かりました。

4. 娯楽施設が少ない
映画館や大型商業施設が少ないため、都市部のような娯楽を求める人にとってはやや物足りなく感じるかもしれません。しかし、アウトドアが好きな人やネット通販を活用する人であれば、特に不便を感じることは少ないでしょう。
また、静かな環境で趣味に没頭できるのは、大きなメリットのひとつです。少し足を伸ばせば、別府には「ゆめタウン」などの大型商業施設や温泉があり、買い物やリフレッシュを楽しむこともできます。杵築市内にも数は多くありませんが温泉施設があり、地域住民の憩いの場として親しまれています。


5. 冬は寒く、強風が吹くことも
九州の中では比較的温暖な気候ですが、冬は思ったより冷え込みます。移住前は「九州=暖かい」というイメージがありましたが、実際に住んでみると、これまで住んでいた神奈川県と同じくらい、もしくはそれ以上に寒く感じることも。雪が降ることもあり、特に山間部での冬場の移動には注意が必要です。
また、杵築市は守江湾に面しているため、海風の影響を受けやすく、強風が吹く日もあります。普段は穏やかでも、天候によっては内陸部まで風が入り込むことがあるため、洗濯物を外に干す際には天気予報を確認したほうが良いでしょう。

よく言われる田舎暮らし特有のデメリットについて
田舎の人付き合い
「田舎は人付き合いが濃密」「町内会の付き合いが大変」とよく聞きますが、今のところそのような煩わしさは感じていません。アパート暮らしでも、近所の人とすれ違った際に軽く挨拶を交わす程度で、都市部に住んでいた頃とほとんど変わらない距離感です。町内会費として毎月500円が家賃と一緒に引き落とされていますが、一種の税金のようなものと考えれば特に気になりませんし、それ以外で町内会から何か連絡が来ることもありません。
車がなくても生活できる?
杵築市で車なしでも生活できるのか?結論としては、十分可能です。実際、私は日常生活のほとんどを自転車で問題なく過ごせています。スーパーやドラッグストア、飲食店など、生活に必要な施設は自転車で行ける範囲に揃っており、大きな不便を感じることはありません。
ただし、行政手続きのために別府や大分市へ行く必要がある場合は、バスや電車を利用する必要があります。その点を考慮すれば、車がなくても十分生活できますが、移動の自由度を考えると車があったほうが便利なのは確かです。
また、杵築市ではほとんどの住民が車移動をしており、歩行者や自転車に乗る人は学生くらいしか見かけません。田舎ならではの光景ですが、周囲の目が気になる方は車で移動したほうが気楽かもしれません。
仕事の選択肢が少ない
杵築市内で正社員の求人は非常に限られており、特に専門職やオフィスワークの募集は少ないのが現状です。製造業や介護・福祉関連の仕事は一定数ありますが、希望する職種によっては近隣の別府市や大分市、大分空港の求人も視野に入れる必要があります。
一方で、アルバイトの求人は比較的多いため、最低限の収入があれば十分という人には選択肢の一つとなるでしょう。また、生活コストの低い杵築市を拠点にしながらリモートワークの仕事を探したり、貯蓄に余裕があれば、のんびりと生活しながらスキルアップや資格取得に励むのも一つの選択肢です。


まとめ
杵築市での生活は、都市部と比べていくつかの不便さはあるものの、工夫次第で快適に暮らせる環境が整っています。公共交通機関の利便性やガソリン代の高さ、仕事の選択肢の少なさといったデメリットはありますが、家賃の安さや駐車場代の負担がないことなど、トータルで見るとコスト面でのメリットが大きいです。
また、「田舎ならではの人付き合いが面倒なのでは?」という不安も、実際に暮らしてみるとそこまで気にならず、都市部と変わらない距離感で生活できています。車がなくても日常生活は自転車で十分対応でき、遠出が必要な場合はバスや電車を活用することでカバー可能です。
自然に囲まれた穏やかな環境で、のんびりとした生活を送りたい人にとって、杵築市は魅力的な選択肢の一つになるでしょう。
40代独身無職のゆる生活 Yuru Life Journal 
