エジプトといえば、ピラミッドやスフィンクス、王家の谷、アブシンベル神殿など、世界的に有名な観光スポットが集まる憧れの国。雄大な古代エジプト文明の遺跡を一度はこの目で見てみたいと思う人も多いでしょう。実際、世界中から観光客が訪れる「観光大国」であることは間違いありません。
しかしその一方で、エジプトは 経済格差が大きく、インフラもまだ発展途上。そのため、観光地では強引な客引き・値段のないぼったくり商法・チップ詐欺・悪質タクシーなど、トラブルに遭いやすいのも事実です。旅行者の口コミやブログでも「二度と行きたくない国ランキング」の常連。インドやモロッコとともに「世界三大ウザい国」と紹介されることもあり、旅慣れたバックパッカーでさえ心が折れそうになる場面が多々あります。
本記事では、なぜ多くの旅行者が壮大な古代エジプト文明の景色を目の当たりにしながらも「二度と行きたくない」と感じてしまうのかを、実体験や事例を交えて詳しく解説します。
※ 本記事の内容は、筆者が2025年11月にエジプトを訪問した際の情報を元にまとめています。現地の状況は変更となる場合があります。
ぼったくり・詐欺編
エジプトに行く前から始まるぼったくり・詐欺
エジプト旅行にはビザの取得が必要です。観光目的であれば、事前申請は不要で、現地の空港で25米ドルを支払うだけでビザが取得できます。いわば「入国税」のような感覚です。
しかし、旅行ブログや旅行系YouTuberの中には、「空港でビザ購入の列が長くて時間がかかった」という情報もあり、事前にオンラインで済ませておけば良かったというような声もあります。そこで私は事前にオンライン申請をしておこうと考えました。
「エジプト ビザ オンライン申請」と日本語でGoogle検索したところ、エジプト大使館や外務省サイトの間に、ビザ申請サービスのサイトが表示されました。

一見すると公式に見えるのですが、URLをよく見ると egyptivisa.org など、エジプト政府の公式ドメインではありません。Google検索の上位に出てくるため信用してしまいがちですが、実際には「政府公式を装った高額代行サイト」であり、ぼったくり・詐欺まがいのトラブル報告が多数あります。
私自身も、最初は気づかずに日本語訳の不自然さに多少違和感を覚えつつ、「エジプトだからこんなものか」と油断して進めてしまいました。個人情報やパスポート番号を入力した後、クレジットカードで決済する直前になって、本来25ドルであるはずの金額と明らかに異なる表示に気づき、慌てて入力を中断。幸いカード情報は入力しませんでしたが、個人情報を渡してしまった点は不安が残ります。

第三者評価サイトTrustpilotでのレビューでも、
- 「このサイトはエジプト政府の正式なビザ申請機関ではない」
- 「政府公式サイトに見せかけた民間の旅行代理店のようなもの」
- 「ドメインの運営者情報が不明で、ビザ申請を示すにも関わらず認可機関との関係性が確認できない」
といった指摘が多数寄せられています。実際、本来の観光ビザ料金25ドルに対し、手数料込みで数倍〜数十倍の金額を請求されたという報告もあり、明らかにオーバーチャージです。
なお、エジプト政府が運営する公式e-Visaサイトはhttps://visa2egypt.gov.eg/eVisaですが、こちらも「申請が途中で止まる」「決済が通らない」などの不具合報告が多く、信頼性は決して高くありません。
結論として、エジプト旅行のビザは 現地空港で購入するのが最も安全でスムーズ だと感じました。
外国人料金でオフィシャルにぼったくり
エジプトの観光スポットでは、入場チケットがエジプト人と外国人で異なる料金設定になっています。たとえばピラミッドの場合、エジプト人は60EGP(約210円)ですが、外国人観光客は700EGP(約2,450円)と、実に10倍以上の差があります。
また、先日グランドオープンした話題の大エジプト博物館の入場料も、外国人は1,450EGP(約5,100円)で、物価の安いエジプトにおいては決して安くありません。
このように、公式のチケットですら外国人料金は現地価格と大きく異なるため、「ぼったくりのように感じる」と多くの旅行者がうんざりする場面が少なくありません。
※レートは1エジプトポンド=約3.5円で計算

大エジプト博物館についての記事はこちらから⬇️
さらに近年では、外国人料金の適用が電車にも及んでおり、節約のための移動手段も気軽に利用しにくくなっている点が非常に残念です。
うざい客引
エジプトの客引きはとにかくしつこいことで有名で、観光客は常に声をかけられます。特に移動手段が限られる都市部では、タクシーの客引きが至るところに待ち構えており、観光エリアではラクダや馬車の勧誘も頻繁です。
問題なのは、こうした客引きについていくと、ほぼ確実に最初の約束と違う料金を請求されること。途中で追加料金を要求されたり、なかには少しでもお金を取ろうと平気で嘘をつく人もいます。
また観光エリアで「写真を撮ってあげるよ」などと声をかけてくる人の多くは、撮影後にチップを要求してくるので、相手にしないのが安全です。
対策
- 無視することが基本。
- サングラスをかけると、目を合わせず「気づいていない」とアピールできるため、案外有効。
慣れないうちは少し怖く感じるかもしれませんが、毅然とした態度を保つことが一番の防御策です。
地域による違い
エジプトでは、観光客の安全確保やトラブル対応のために観光警察(Tourism Police)が空港や主要観光地に配置されています。そのおかげか、カイロ空港やギザのピラミッド周辺では、客引きも比較的おとなしく、しつこさは控えめに感じました。
しかし、同じ国でもルクソールやアスワンに行くと雰囲気が一変します。観光警察の目が届きにくいエリアでは、客引きの勢いがかなり強く、「完全に無法地帯…」と思うほどの圧がありました。少し立ち止まっただけで何人も寄ってくることがあり、気を抜くとどんどん話しかけられるので、必要以上に反応しないのがポイントです。
警察からのチップ要求
警察だからといって、必ずしも安心できるわけではありません。これは稀なケースかもしれませんが、私自身、ルクソールの王家の谷にレンタル自転車で行った際、自転車を駐輪するために「20EGPを払え」と要求されました。細かいお金がなかったため「50EGPしか持っていない」と伝えると、そのまま50EGPを持ち去られてしまいました。

こうした事態に備えて、常に細かいお金を用意しておくのが安心です。また、どうしても納得できない場合やトラブルに巻き込まれた場合は「観光警察(Tourism Police 電話:126))に連絡する」と伝えれば、相手が引き下がる可能性もあります。ただし、旅行中に揉め事になるのはあまり気分が良くありません。少額であれば、チップとして支払ってしまうのも一つの方法です。
ルクソール西岸を自転車巡る半日コースの記事はこちら⬇️
9割詐欺師?疑いながら人と接せざるを得ない
これが地味に一番疲れるポイントかもしれません。エジプトにはもちろん親切な人もいますが、観光客に声をかけてくる多くの人はお金が目的です。そのため、親切にされても「後でお金を要求されるのでは?」と疑ってしまったり、本当にただの親切なのに冷たい対応をしてしまうこともあります。
ホテルや宿泊施設では、基本的にスタッフは親切で、客引きや詐欺に遭わないよう注意してくれたり、旅のサポートをしてくれる人も多くいます。しかし子どもであってもお金目的で近づいてくる場合があるため、こうした状況で心身ともに疲れてしまうのが、エジプト旅行の現実です。
また、レストランやカフェ、売店などでは料金を表示していないことも多く、外国人とわかると平然と高額請求をしてくることがあります。事前にある程度の相場を確認しておくことや、購入・注文前に必ず値段を確認することが重要です。ただし、ネット情報やガイドブックは最新の物価に対応していないことも多く、エジプト旅行ではこうした点がストレスに感じられました。
道路・交通編
公共交通は遅延が当たり前
日本と違い、エジプトでは飛行機や電車、バスが遅延するのは日常茶飯事です。定刻通りに運行すると逆に驚くほど。1〜2時間遅れることも珍しくないため、それを踏まえて行動や計画を立てることが重要です。
信号や横断歩道がほぼ皆無
エジプトでは信号や横断歩道がほとんどありません。歩行者は道路の脇を歩くため、一歩間違えれば事故につながる危険があります。道路では常にクラクションが鳴り響き、バイクや馬車なども縦横無尽に走るため、カオスな状況です。
信号がないので、道路を横断するのも命がけ。車の流れを見極め、タイミングを見計らって渡るしかありません。地元の人は慣れているので、同じタイミングで渡るのがおすすめです。躊躇していると、いつまで経っても横断できないこともあります。

交通安全という概念が皆無
エジプトでは信号がほとんどないため、ドライバーは我先にとクラクションを鳴らしながら運転します。車間距離も非常に近く、これでなぜ事故が起きないのか不思議に思うほどです(実際には日常的に交通事故が発生しています)。
バイクに乗る人のほとんどはノーヘルで運転しています。タクシーでも後部座席のシートベルトが奥にしまわれたままで、使われていないことが多く、シートベルトが付けられないときは安全面で不安を感じました。
タクシードライバーの運転は荒く、急ブレーキをかけることもあります。急ブレーキをした場合でも、「今のはあのドライバーが悪い、私は悪くない」と車間距離が原因と認識している様子はなく、安全に関する感覚も甘いようです。

エジプトは事故死亡率が高い国としても知られています。旅行中はくれぐれも交通安全に注意してください。
電車を自力で乗るのはほぼ無理ゲー
これは私自身がルクソールからアスワンに移動した際の体験です。電車のチケット(41ドル)は前日に購入していました。
まずルクソール駅に着き、セキュリティの荷物検査を受けて入場します。入場してみたものの、どこに行けばいいのかわかりません。電光掲示板や案内はほとんどなく、なんとか人に聞きながらアスワン行きのプラットフォームにたどり着きましたが、今度はどの電車に乗ればいいのか全くわかりません。


手がかりは「Train 2008」という電車の車両番号ですが、どの電車にも表示はありません。エジプト旅行の前にアラビア数字(0〜9)は勉強していたので、どこかに表示されていれば分かるはずと思っていましたが、残念ながら無理でした。さらに、電車は時刻表通りに運行しておらず、どのダイヤが発着しているのかも不明です。
結局、困っているところをキオスクの子供に助けてもらい(もちろんチップ目当て)、どの電車に乗ればいいか教えてもらいました。電車は1時間半遅れて到着。子供には1ドル渡しましたが、案の定「もっとチップをくれ」と言われたので、最後は無視してお別れしました。
情報・通信編
低品質なネットインフラ
エジプトでは、そもそものインターネット環境が安定していないことが多く、旅行中に大きなストレスとなる場面が何度もありました。たとえば観光チケットの公式オンラインサイトでさえ、読み込みエラーが頻発したり、決済が完了しなかったりと不具合が多発します。事前手配が推奨されるスポットでも、オンライン手続きがスムーズにできないため、非常に不便に感じることも多くあります。
ホテルのWi-Fiが使えない
ほとんどのホテルで共通していたのが、Wi-Fiの貧弱さです。接続しても極端に速度が遅く、ページが読み込めない、動画どころか地図さえ開けないことも珍しくありませんでした。正直、現地SIMカードのデータ通信のほうがはるかに安定して速いため、Wi-Fiを切ってスマホ通信だけで過ごしたほうが快適でした。
ネットやガイドブックの情報が当てにならない
エジプトでは通貨の暴落により物価が急激に変動しており、ネットの記事やガイドブックの情報が最新の価格に追いついていません。ブログやレビューを見ても、1年前の情報でさえ相場が大きく変わっているため、あまり参考になりませんでした。
特に困ったのは、事前に購入した『地球の歩き方 2025–2026』の情報がすでに古く、最新の物価と大きく乖離していたことです。旅の相場感をつかむために活用しようと思っていましたが、実際の価格と差があり、ほとんど役に立たない場面が多くありました。
気候・環境・文化編
日中はとにかく暑い
エジプトは一年を通して日差しが強く、特に日中は容赦ない暑さが続きます。乾燥しているとはいえ、夏は気温が35〜40℃を超えることも珍しくありません。観光の中心である屋外の遺跡巡りは体力を大きく消耗し、こまめな水分補給や休憩が必須です。直射日光の強さは想像以上で、サングラスや帽子はほぼ必需品でした。
▼ 屋外観光の必需品だった偏光サングラス
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エジプトの強烈な日差しと砂埃対策にかなり役立つのがこの偏光サングラス。UV400でしっかり紫外線カットできるうえ、反射光を抑えてくれるので、砂漠や白い遺跡の照り返しでも目が疲れにくくなります。超軽量タイプで長時間かけていても負担にならないので、移動が多い旅行と相性抜群。

水道水は危険
現地の水道水は旅行者が飲むには不向きで、お腹を壊す原因になります。ホテルでも同様で、基本はミネラルウォーターを常に携帯するべきです。歯磨きやうがいもミネラルウォーターで行う旅行者が多く、実際そのほうが安心です。
▼ 持ち歩きに便利だったボトルホルダー
暑いエジプトでは、常にドリンクが必須。このペットボトルホルダーは、手提げ・ショルダーの2WAYで使える便利アイテム。両手が空くので観光中も歩きやすく、移動が多いエジプト旅行と相性抜群でした。

劣悪な環境汚染
エジプトは環境整備が遅れており、街中のゴミ問題が深刻です。
- 道路や空き地にゴミが散乱している
- 電車の線路に平然とゴミを投げ捨てる人がいる
- 飛行機内でさえ、着陸時の床がゴミだらけになっている
- 大気汚染がひどく、常に砂や埃が舞っている
乾いた砂埃は風に乗って舞い上がるため、喉が弱い方はマスクを着けたほうが安心です。
昼夜問わず鳴り響く騒音
昼夜問わず鳴り響く騒音。エジプトは「音が止まらない国」と言っても過言ではありません。
- 早朝から響くアザーン(礼拝の呼びかけ)
- 野良犬の吠える声
- 絶え間なく鳴り続けるクラクション
- 夜になっても静まらない街の喧騒
特にカイロのような大都市では、深夜でもクラクションが途切れず、静かな時間帯がほとんどありませんでした。エジプトでは耳栓が必須レベルです。
▼ エジプトで役立った防音アイテム
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旅行者の間でも評判が高い、高い遮音性が特徴の耳栓です。柔らかくて長時間つけても痛くなりにくく、雑音の多いエジプト旅行では本当に助かりました。

慣れないチップ文化と紙幣
日本人にとって意外とストレスになりやすいのが「チップ文化」です。普段チップを渡す習慣がないため、とっさに小銭を出せなかったり、「今はチップを渡す場面?」と迷ってしまったりします。実際、私も何度かチップを渡し忘れてしまったことがあり、後から気まずい思いをしました。
さらに、エジプトの紙幣にはアラビア語数字と、普段日本で使う「0〜9」の数字(アラビア数字)の両方が記載されています。ただし、お札の向きによっては一瞬で金額を判断しづらいので、財布にしまうときはあらかじめ向きを揃えておくと取り出しやすくて安心です。
特にエジプトでは紙幣がやや古く、色あせているものも多いため、金額確認は慎重にしておくとトラブルを避けられます。


エジプト旅行は予算20万円で行ける?旅費の内訳と節約ポイントを詳しく解説しています⬇️
まとめ|エジプト旅行で嫌な思いをしないために
エジプト旅行では、買い物ひとつでも交渉が必要になることが多く、旅のあちこちで小さなストレスを感じることがあります。特に個人で手配する場合は、移動やチケットの取得、交通安全への配慮など、心身ともに疲れやすいのが現実です。中には「もうホテルから出たくない」と感じるほど疲れてしまう人も少なくありません。
一方で、工夫次第で費用を大幅に節約できる楽しみ方もあります。例えば、個人旅行でエジプトを巡る場合は、現地の交通やチケット情報を事前に調べ、トラブル対策やチップ文化への理解を持って行動することが重要です。
もし不安が大きい場合は、ツアー会社を利用してプロにお任せしたり、予算に余裕があるならナイル川のクルーズ船を使って移動するのもおすすめです。安全面や効率を考えると、ツアーで観光地を巡るのは安心です。
私自身、個人での一人旅だったため、旅の後半はさすがに疲れて心が折れそうになりました(実際、折れました 笑)。しかし、壮大なピラミッドや古代遺跡を目の当たりにした感動は間違いなく価値ある経験でした。嫌な体験も含めて、これがエジプト旅行の醍醐味だと感じます。
エジプト観光を計画している方は、事前の準備とトラブル対策をしっかり行うことで、安全かつ充実した旅行を楽しむことができます。チップ文化や客引き、交通事情といった「あるある」を理解しておけば、余計なストレスを避けつつ、壮大な古代文明や美しい景色を存分に堪能できます。準備さえ整えれば、エジプトは一生に一度の感動体験を与えてくれる国でしょう。
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